歌人 北久保まりこ
現代短歌社 現代短歌新聞
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これまで発表してきた、短歌・鑑賞文などを発表します。
前の世とこの世の境のあるならむ胎児をつつむ微睡みの水 |
生き別れしのちの年月 松の葉にひとつひとつをとほす乳の実
憎しみのあとに滲める慕はしさ父亡き子にも巡る父の日
風紋よ覚えてゐるか かつて汝(なれ)石英の塊(くわい)なりし昔を
サマリアの女に注ぐ星の雨誰が傾けしや天の水瓶
駱駝色の砂を鎖骨に光らせつ われも微かな大地の飛沫
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