歌人 北久保まりこ
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2006年7月9日 河北新報
日本語の響き紹介
カナダ「短歌・俳句フェス」 歌人北久保さん自作朗読
歌人の北久保まりこさんが、カナダ・バンクーバーで開かれた「短歌・俳句フェスティバル」に参加、自作短歌を日本語で朗読し、米国やカナダの参加者たちと韻律の美しさを分かち合った。 現代歌人協会会員の北久保さんは、第三歌集「WILL」からセレクトした短歌に、英訳を付した「On This Same Star」を今春出版。翻訳に当たったオーストラリアの詩人アメリア・フィールデンさんの誘いで「俳句カナダ」主催の同フェスティバルに参加した。
「英語で短歌や俳句を作っている米国やカナダの詩人など五、六十人が集まった研究・発表の場でした。私は日本語の短歌の響きをぜひ伝えたかった」と北久保さんは言う。
<ぽつねんととほいところに回りゐる地球ひとつぶ宇宙のプラム> - 朗読会では、まず日本語で短歌を朗読して「音」を感じ取ってもらった。次に英訳を読んで「意味」を理解した上で、もう一度日本語を朗読し、作品を全体的に味わう方法を採った。「日本での朗読会よりも反応が率直でした。エモーショナルだ、感動したと声を掛けられました」
同フェスティバルでは、徹夜で「RENKU(連句)」が行われるなど、英語による短歌・俳句への関心の高さが印象的だった、と北久保さん。米国の短歌俳句イベントでの朗読の企画も進んでいるという。