歌人 北久保まりこ
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10月9日 フランス クレルモンの文芸カフェCafe Les Augustesでの朗読について
フランスのClermont Ferrandで長年にわたり日本文化を広めるお仕事を精力的に行っておられるGotani Jana様より、10月9日に致しました短歌朗読に対し仏和にて素晴らしいご報告を投稿していただきました。 心より御礼もうしあげます。 今後とも どうぞよろしくお願いいたします。 |
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昨夜は、私たちが日頃、日本文化のレクチャーを行っているおなじみの場所クレルモンの文芸カフェ Les Augustesで行われた現在、クレルモンにご滞在中の歌人 北久保まりこさんによる短歌の朗読会に出かけました。先日、私たちの友人ジュリーが店長を務めるモミー書店に偶然、立ち寄られたことがきっかけでご縁をいただき、ここ数日、楽しくメッセージのやりとりをさせていただいたり、お電話でもお話しさせていただき、お会いするのが楽しみでした。
いつもは演者として立つことの多いカフェのソファーに座り、まりこさんとご友人のヴェロニックさんによる日本語とフランス語の朗読が始まると、一気に空気が変わり、夜21時過ぎからのスタートなのに何だか一日が巻き戻っていくように思え、不思議な感覚でした。長崎、広島と平和を求める祈りの短歌にはじまり、旅の途中に作られたというヴェトナムやアフリカを歌った作品を静かに、そして力強く、魂を震わせて、朗読されているまりこさんの歌の世界に触れながら、日本語の響き、英語、フランス語の調べにさまざまな感情がわいてきて、その感覚は、表現がとても難しいのですが、ふとこれがすなわち言霊というものだと思いいたりました。
日頃、私も日本語を教え、日本文学のレクチャーや和歌や俳句などを紹介する際、日本人と言霊について触れることがありますが、体感してもらうのはなかなか難しいものです。
今まさに言霊が宿っているまりこさんの歌を聞いている彼らには、きっとそれが伝わっているはずだと思ったら、何だか胸が熱くなりました。スピリチュアルな話のようですが、改めて三十一文字の世界の広がりとその無限の可能性を体感でき、感無量のひとときでした。
あっというまに時間が過ぎていき、まりこさんの笑顔であたたかい朗読会が終了。
昨年、アメリカの出版社から上梓され、かのドナルド・キーン氏の序文ではじまるまりこさんの歌集 INDIGOも頂戴し、またまりこさんが手料理をふるまわれたご友人宅の日本食の夕食会にうかがえなかった私たちのためにと詰めて下さったお弁当までいただき感激、扉の署名にも感激、そして添えられたメッセージカードの「であいに感謝をこめて」の言葉にも感激。 終始、笑顔で周囲に心を配られているまりこさんに私たち夫婦もまだまだ頑張れることがあると力をいただきました。
まりこさん、本当にありがとうございました。そしてお疲れさまでした(*^-^*)。
次は、ぜひもっとゆっくりご滞在いただき、そしていつか機会があれば、一緒に詩歌・日本文学のレクチャーができたら嬉しいです。
まりこさんの歌集INDIGO-藍-より「国境を超ゆるこころに藍澄めり 旅人のまま死なむと思ふ」またお会いできるその日まで。 ご縁に感謝、そして出会いを運んでくれたジュリーにも感謝です。