歌人 北久保まりこ
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令和5年版 角川『短歌年鑑』、「自選作品集」に掲載されました
令和5年版 角川『短歌年鑑』、「自選作品集」にご掲載賜り、大変光栄なことと存じます。
ありがとうございました。
作品は2021年、いりの舎『うた新聞』霜月作品集にご依頼頂きました連作「かくし神」です。
かくし神
・立夏より立秋愛(かな)し 病弱な母が私を産みたりし秋
・勾玉はいのちのかたち縄文の翡翠にやどる姫川の祇
・隠し神雲に触れしか 大いなる指紋をのこす秋空の青
・アキアカネ肩に休ませ石仏が観音原に頬杖をつく
・かくし神あらば守りの神あらむ 山路をてらす良寛の月
はや3年目も暮れようとする国境の無い病魔との奮闘に加え、戦、それに纏る物価高騰と、度重なる災いに見舞われる今、生き延びようとする生き物、種としての、本来の適応力が問われていると感じます。
柔軟さ、忍耐強さと感謝を忘れず、新たなる歳を迎えたく存じます。